再犯者には執行猶予は付かない?

再犯者には、執行猶予は付かない?

刑法上、有罪判決が言い渡された際、その刑を何年間か猶予する(つまり刑務所に行かなくてもよい)という制度があります。これを執行猶予と言います。

刑法第25条1項では、以下のとおり定められています。

第25条

次に掲げる者が三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金の言渡しを受けたときは、情状により、裁判が確定した日から一年以上五年以下の期間、その執行を猶予することができる。

前に禁錮以上の刑に処せられたことがない者

前に禁錮以上の刑に処せられたことがあっても、その執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から五年以内に禁錮以上の刑に処せられたことがない者

 

次に、刑法上は、再犯(累犯ともいいます。)という概念があります。これは、刑期が終わって5年以内に再び犯罪を行なってしまった場合、その量刑を(加重する方向で)考慮するというものです。

再犯については、刑法56条に定めがあります。

 

第56条

懲役に処せられた者がその執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から五年以内に更に罪を犯した場合において、その者を有期懲役に処するときは、再犯とする。

 

では、例えば、「平成24年12月に刑期を終えた人が、平成29年11月に犯罪を行なってしまい、平成30年2月に判決が言い渡される場合」には、その人に執行猶予はつくでしょうか?

 

答えは、「法律的には執行猶予をつけられる」です。

平成24年12月に刑期を終えたが、その5年以内である平成29年11月に犯罪を行なってしまったため、この人は、「再犯」に当たります。

しかし、判決の言い渡しは平成30年2月ですので、「その執行を終わった日・・・から5年以内に禁錮以上の刑に処せれられたことがない者」に当たり、執行猶予を付すことが可能です。

ここでのポイントは,5年以内に「犯罪を犯したこと」ではなく,裁判で有罪判決を受けたことがないかどうか、です。

ただ、注意しなければならないのは、あくまで法律上執行猶予を付すことが可能というだけであり、絶対に付されるわけではないということです。再犯期間を経過したとしても執行猶予がつくかどうかはまた別の考慮要素(情状)を検討しなければなりませんので、誤解しないように気をつけましょう。