民事執行法の改正

本年5月10日に、民事執行法が一部改正されました(施行は、公布の日から1年以内)。

改正のポイントは、何点かあるのですが、今回の改正の目玉は、何と言っても債務者財産の開示制度の実効性の向上にあります。

判決内容を任意に履行しない場合は、強制執行を申し立てて、債務者の財産を強制的に差し押さえすることが可能ですが、執行の対象となる債務者の財産を特定するのは、債権者が行わなければなりません。

ところが、債権者には、債務者の財産が不明な場合が多く、その場合には、判決で勝訴してもそれを実現(民事執行手続の上、回収)することが出来ません。

これまでの民事執行法では、債務者の財産が不明な場合には、「財産開示手続」という制度が規定されていました。しかし、同制度は、債務者自身の陳述により債務者の財産に関する情報を取得する制度であり、しっかも、債務者の虚偽陳述などに対する罰則は、30万円以下の過料に過ぎず、実効性の担保という側面から、問題がありました。そのため、財産開示制度の利用実績は、わずか年間1000件前後でした。

そこで、改正民事執行法では、債務者の財産情報を第三者(金融機関、登記所、年金機構など)から情報を取得できる制度を新設し、債務者の虚偽陳述などに対する罰則を強化(6ヶ月以下の懲役又は50万円以下の罰金)による制裁を科して手続の実効性を向上させることとしました。

債務者の財産が分からず、裁判で勝訴判決をもらっても回収できない、という状況が本改正で大きく変わるものと思われます。今後、施行された法律の下での実務の運用に注視すべきですね。