吉田竜一弁護士ブログ

選択的夫婦別姓の実現-待ったなし!

立憲民主党、国民民主党、日本維新の会がそれぞれ提出した夫婦の姓についての法案が衆議院法務委員会で審議されています。

立憲民主党、国民民主党の提出する案はどちらも選択的夫婦別姓の実現を図るものですが、日本維新の会の案は、夫婦同姓を維持し、通称使用の拡大を図るというもので、参考人質疑で維新の会の推薦する竹田恒泰氏は、「(通称使用が認められることで、夫婦同姓でも)困っている人はいない。いたとしても少数だ」との意見を述べました。

私は、夫婦同姓を強制されることで困っている人がいないとかいたとしても少数だなどとは全く思っていませんが、困っている人が少数だから選択的夫婦別姓を導入しなくてもよいのだなどという意見は、わが国も1985年に批准している女性差別撤廃条約が16条で実現のために締約国に必要な措置を求めることの一つに「夫及び妻の同一の個人的権利」を掲げ、この権利には「姓及び職業を選択する権利を含む」とされていること、すなわち、選択的夫婦別姓の導入を実現するか否かという問題が人権の問題であることを看過したものという他ありません。

そもそも、選択的夫婦別姓制度のもとでは夫婦同姓がいいという人は夫婦同姓を選択できるのですから、選択的夫婦別姓を実現しても、誰も困る人はいませんし、悲しまなければならない人もいません。選択的夫婦別姓制度は誰にも迷惑をかけることのない制度ということができます。だとすれば、権利侵害を受忍しなければならない理由は何もないことになるのであり、困っている人、権利を侵害されている人がどんなに少数であっても、その権利侵害は是正されなければなりません。

選択的夫婦別姓が導入され、親子で姓が別になれば子どもに悪影響が出るなどという意見もあるようです。しかし、夫婦同姓を定めているのは日本だけですから、本当にそうなら、日本以外の世界中の国では夫婦同姓でないことによって子どもに何らかの悪影響が出ていることになりますが、そんな話は聞いたことがありません。

夫婦別姓は、伝統的な家族制度を崩壊させるなどと言っている、私からすれば信じられない憲法学者もいるのですが、明治憲法下における家制度を否定し、個人の尊厳と両性の本質的平等に最大の価値を認める現憲法のもとで、家族制度を守るためには夫婦同姓を維持することが是認されるなどという議論が成り立つ余地もありません。

2017年のデータでは結婚に際し96%が夫の姓を選択しており夫婦同姓を強いる現行法は女性に改姓を求めるものといって過言ではありませんが、旧姓では銀行口座が開設できないなど、通称使用の拡大だけでは解消しきれない不便が多々あるというだけでなく、現に夫婦同姓を強いられることで尊厳を傷つけられている人、生活上、仕事上の不便を被っている人がいる以上、選択的夫婦別姓は速やかに実現されなければならないと思います。

 

 

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