11月8日、神戸三宮で開催された日本労働弁護団の全国総会に参加してきました。
自由法曹団の方の5月集会や全国総会には結構参加しているのですが、実は日本労働弁護団の総会参加は初めてのこと。兵庫県での開催ということで駆り出されて参加したのですが、参加してよかったと思いました。
執行部、そして参加者も全体的に若い反面、大阪、東京からは自由法曹団でもおなじみの重鎮ともいえる先生方も多数参加しておられ、若手、重鎮の活発な討論は聞いているだけで刺激を受けました。単に刺激を受けたというだけでなく、厚生労働省では、労働者概念の見直し、場所的・時間的拘束性はもはや労働者性を判断する要素としては不要とする方向が議論されていること、労使コミュニケーションの意義と課題が議論されていることを知り、3年前に手術をしてからは仕事をするのが精一杯で勉強が全く足りていないことを深く痛感した次第です。
また、初日の最後に行われた日本労働弁護団大賞の授与式では、今年の大賞を獲得した、職務限定合意のある場合に使用者の配転命令権が制限されることを確認する最高裁判決を獲得した滋賀県社会福祉協議会事件、使用者から労災支給決定の取消しを求める訴訟の提起は許されない旨の最高裁判決を獲得したあんしん財団事件、全員男性だけの総合職のみに家賃補助を行うことが実質的に女性に対する違法な間接差別となることを認める東京地裁判決を獲得したAGCリーンテック事件、それぞれの弁護団と当事者のお話を聞くことができたのですが、当事者のお話をじっくりとお聞きできたのは、あきらめずに最後まで戦いぬくことの大切さ教えてくれる本当に貴重な機会でした。
労働事件をやりたくて弁護士になった私も、それなりに労働事件を担当してきており、現在も抱えている事件の半数強は労働・労災事件ですが、これからも初心を忘れることなく困っている労働者、理不尽な使用者のやり方を許せないと考えている労働者のために微力ながらも頑張っていきたい、そんな思いを強くした総会参加でした。