吉田竜一弁護士ブログ

憲法改正発議は事実上不可能になったが、9条は傷ついたまま!

11月30日、地域の9条の会(9条の会西ひめじ)に招かれ、今の憲法情勢とこれから私たちがなすべき取り組みについてお話をさせてもらいました。

憲法上、憲法改正の発議は各議員の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、発議することになっています(96条)。

2014年以降、衆参両院とも改憲派が3分の2以上を占めるという状況が長く続いており、いつ憲法改正の発議がなされてもおかしくない状況にあったものの、憲法改正の発議をさせてこなかったのは9条の会の草の根の運動、そして、野党の共闘があったからこそですが、10月に実施された衆議院選挙では、改憲派は3分の2の議席である310を大きく下回る287議席しか確保することができませんでした。

したがって、現状での改憲発議は不可能になったということができます。

しかし、明文改憲の危機が一応去ったからといって安堵するわけにはいきません。

安倍政権下で、集団的自衛権の行使を容認する安全保障法制(戦争法)が強行採決され、岸田政権下で専守防衛を投げ捨てる敵基地攻撃能力の保有が認められたことで、憲法9条は大きく傷づけれたたままです。

憲法改正発議を押しとどめた今こそ、戦争法を廃止して、立憲主義を取り戻し、日米同盟を絶対する立場から抜け出し、憲法9条を生かした政治の実現を攻勢的に求めていかなければなりません。

11月3日、神戸で開かされた憲法集会では、村井弘子兵庫県憲法会議幹事も代表挨拶で、「改憲派を3分の2以下にした総選挙をもとに新たな憲法運動の出発点にしよう」と述べられておりますが、まさに、そのとおり。
2025年は新たな憲法運動の出発点としなければなりません。

というお話をさせて頂きました。

がんの転移再発は認められないとはいえ、まだまだ体調は万全ではないのですが、そんなことはいっていられません。

私自身、憲法を守る草の根の活動だけは続けて行かなければならない、そんな思いを改めて強くしているところです。

関連記事

  1. 吉田竜一弁護士ブログ

    続・戦争は絶対にだめです! ~軍事力増強論、核武装論で私たちの生命を守ることはできない~

    5月5日、実行委員会の事務局長をつとめている第44回憲法を守るはりま集…

  2. 吉田竜一弁護士ブログ

    カタールW杯~ドイツ、デンマーク等6か国が「ONE LOVE」の腕章着用を断念!

    今年のJリーグ、J2の大分はスタートダッシュに失敗し、後半は奮闘したも…

  3. 吉田竜一弁護士ブログ

    信念を貫くことは難しいけどカッコいい~テレビで会えない芸人、テレビから消えた芸人

    9月19日、延期されていた憲法集会を無事開催することができました。…

  4. 吉田竜一弁護士ブログ

    退院のご報告

    9月末、病のために入院を余儀なくされたところ、予想に反し入院が長期化し…

  5. 吉田竜一弁護士ブログ

    生活保護の申請は国民の権利です

    コロナ禍が収束する気配を見せるどころか、首都圏を中心に感染爆発が起きて…

  6. 吉田竜一弁護士ブログ

    2022年-新年のご挨拶

    あけましておめでとうございます。専ら私事になりますが、母校の大…

  1. 吉田竜一弁護士ブログ

    長い別れ~久し振りに推理小説を読みました!
  2. 吉田竜一弁護士ブログ

    暑中お見舞い申し上げます
  3. 吉田竜一弁護士ブログ

    30回目の1月17日で考えたこと~政治こそ被災地・被災者によりそわなければならな…
  4. 吉田竜一弁護士ブログ

    選択的夫婦別姓の実現-待ったなし!
  5. 吉田竜一弁護士ブログ

    いますぐに停戦を! どんな理由があってもイスラエルのガザ侵攻は許されない
PAGE TOP