5月24日、25日、琵琶湖(滋賀県大津市)で開催された自由法曹団の5月集会に参加し、全国で頑張っている団員の活発な議論を聞き、久々に会う同期と酒を酌み交わす中で元気をもらって帰ってきました。
集会では、全体会の他、1日目は憲法・平和問題の、2日目は労働問題の分科会に参加したのですが、憲法・平和問題の分科会では、「辺野古沖における事故の被害者に哀悼の意を表明するとともに、文部科学省による平和教育への不当な介入に抗議する緊急決議」案が議論され、2日目の全体会で採択されました(自由法曹団のホームページで全文を読むことができます)。

本年3月16日、辺野古における同志社国際高校の平和教育実施中の転覆事故で生徒を含む2名の方が亡くなられるという痛ましい事故が発生したことは、皆さん、ご存知のとおりです。
亡くなられた方々に心より哀悼の意を表します。
しかし、この事故に関し、本年5月22日、文科省は、学校の安全管理が不十分であり、また実施していた平和体験教育が、「特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治活動をしてはならない」と定める教育基本法14条2項に違反するとして指導を行っているのですが、この指導は教育への不当な介入と言わざるを得ません。
もちろん、学校が行う校外学習においては、まずもって生徒の安全が確保されなければならないことは言うまでもなく、今回の平和教育の実施に際し、生徒の安全管理の点で問題がなかったのかということは十分に解明して再発防止策が講じられなければならず、安全管理面での問題について行政が指導をなし得ることは言うまでもないことなのですが、そのことと教育基本法違反の指導とはまったく別の問題です。
今般の同志社国際高校が行った平和教育の主目的は、基地建設とこれに反対する人が対峙する現場を見て沖縄が抱える問題を考えるということにあったようですが、かかる目的が、教育基本法14条2項が禁止する「特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育其の他政治的活動」に該当するとは到底いえません。
松本文科相は、今般の指導が「平和教育に萎縮的効果を生むことは全くないと思っている」などと述べているのですが、辺野古を訪れること自体に問題があると言われてしまえば、平和学習のために沖縄を訪れること、ひいては広島、長崎を訪れることに多大な萎縮的効果をもたらすものであることは明らかです。
団の決議は、「文科省の指導は、平和教育を偏っている政治的活動と言いつのり、その抑制をはかるものであり、まさに行政による教育への不当な介入にほかならない」ことを指摘した上で、「自由法曹団は、本件が個別事案ではあっても、その内容が平和教育全般への政府の介入である点を重視し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない教育に対し政府が不当に介入することに断固抗議し、速やかな指導の撤回を求める」という言葉で締めくくられています。
教育基本法は国家への奉仕を強いた戦前の教育への反省から生まれました。

昨年5月の沖縄総会参加時に撮影した辺野古
琉球新報の社説は、「文科省の姿勢こそ、辺野古新基地問題を含む安全保障問題や平和教育に制約を加えようという不当な介入に当たらないか」と述べていますが、まさにそのとおり。
権力による教育内容への介入、殊に平和教育を委縮させるような介入は許されません。












