ラグビーW杯、決勝で南アフリカがイングランドをくだして優勝、40日間にわたる大会の幕を閉じました。
初の黒人大統領となったマンデラ大統領のもとでワールドカップに優勝した南アフリカチームの奮闘を描いた映画「インビクタス‐負けざる者たち」の再現をした南アフリカ。1995年の初優勝時、黒人選手は1人だけでしたが、今回の大会では非白人系の選手は10人以上で、主将のコリシ選手は代表初の黒人主将。試合後のコメントは「様々な背景、人種が一つになって優勝できた」というものでしたが、準々決勝では日本を、決勝ではイングランドをノートライに抑えた鉄壁の守備は見事という他ありません。
南アフリカ、本当におめでとう。
また、横浜国際総合競技場で行われた決勝の観客数は、サッカーの日韓ワールドカップ決勝を上回る7万超、どの会場も満員で、“にわか”ファンという言葉を生み出すほどの大変な盛り上がりを示す大会となりました。
大盛況の大会となった原因は、各会場で熱戦が繰り広げられ、日本が一次リーグを全勝で初めて準々決勝に進出するという大活躍をしたことにあることも明らかですが、ラグビーのノーサイドの精神が強く私たちの心を打ったということにもあるのではないでしょうか。
あれだけ激しいぶつかり合いをしながら、試合中に選手同士がもめることはほとんどなく、レフェリーに文句を言う選手を見ることもまったくないというのは、サッカーを見慣れていると驚き以外の何物でもありません。
決勝後の表彰式でのイングランドの残念な態度等、全くいいことばかりではなかったものの、日本にまさかの敗戦を喫しながら、敗戦後、花道を作って日本チームを送ったアイルランド、三連覇を逃しながら3位決定戦後に全員そろってスタンドに一礼したニュージーランド、台風で試合が中止になりながら被災地でボランティアに従事したカナダ、試合中、ボールキッズからボールをもらう際に一礼した南アフリカの選手、一緒に国歌斉唱してくれたマスコットキッズに感激して腕を回して抱きしめたウルグアイ主将、試合以外にもいい話が満載の大会でした。
観客席がチーム毎にわけられることなく、混然一体となりながら、両チームの素晴らしいプレイには敵味方なく拍手を送る観客も素晴らしかった。
ラグビーW杯の期間中も行われていたサッカーJリーグでは、ひいきの大分トリニータが悲願の残留を決め、ガンバ大阪も何とか残留の目途を立てている状況で、個人的に安堵しているところですが、サッカーが見習わなければならない点も多々あったと思います。
自由法曹団の総会に出席していたりで、南アフリカと日本の試合など、生でテレビ観戦できなかった試合も少なくないのですが、多くの好試合の中でも、個人的には観れた試合の中では南アフリカとウェールズの準決勝が大会のベストゲームだったのではないかと思っています。
そのウェールズが、11月2日の毎日新聞に、応援してくれた事前キャンプ地である北九州市民に感激の思いを伝える全面広告を掲載しました。
何とも嬉しい話です。
また、来年7月、イングランドが日本代表と国際Aマッチを神戸と大分で行うことが決まっているようで、何とか生で観戦したいと思いますが、ラグビーも、そしてサッカーも、生きているうちに、もう一度日本でワールドカップが開催されることを心から願っています。