吉田竜一弁護士ブログ

信念を貫くことは難しいけどカッコいい~テレビで会えない芸人、テレビから消えた芸人

9月19日、延期されていた憲法集会を無事開催することができました。

2年続けての延期でしたが、42年間続けてきた集会を途切れさせることなく開催できたことに、とにかくホッとしています。

台風が直撃する可能性もあったことから前日から姫路入りし、当日、最高のパフォーマンスを見せてくださった松元ヒロさんにはとにかく感謝しかありません。

松元さんのライブ、いつ観ても、笑いの中で、歯に衣着せずに権力を批判するだけでなく、生活保護を受給されている人、障害を持っておられる人等、社会的弱者といわれる人たちに対する優しさに満ち溢れており、本当にそこが素晴らしいと思います。権力には厳しく、社会的弱者には優しくという姿勢はまさに権力を握っている人たちに憲法尊重擁護義務を負わせ、国民には生存権等、様々な権利自由を保障してくれている憲法を体現したもので、そういう人だからこそ、ひとり芝居「憲法くん」を誕生させることができたのだと、個人的には思っています。

コロナの関係で十分な宣伝もできず、また会場を密にすることもできないため、参加者も例年に比べて少ないものにならざるを得ず、その点、松元さんには申し訳ない限りでしたが、参加者は皆さん満足していただけたのではないでしょうか。

ところで、集会が終わって、少し松元ヒロさんとお話する時間を持てたのですが、そこで松元さんがコント集団「ザ・ニュースペーパー」から1998年に独立したのは、「ザ・ニュースペーパー」での発言は個人のものにとどまらず、その発言で他のメンバーに迷惑をかけるわけにはいかない、自分は言いたいことを言いたいと考えたからだということを初めてお聞きしました。

言いたいことを言う、権力批判も遠慮するところなどないがために松元さんはテレビに出演することができない芸人になったことは知る人ぞ知る話です(鹿児島テレビ放送製作のドキュメンタリー番組「テレビで会えない芸人」が第58回ギャラクシー賞のテレビ部門の優秀賞を受賞しています)。

また、松元ヒロさんがウーマン・ラッシュ・アワーの村本大輔さんと懇意にしているというお話もお聞きしました。

村本大輔さんがツッコミをやっているウーマン・ラッシュ・アワーは2013年の「THE・MANZAI」で優勝し、一番多いときは年間で400本のテレビ出演があったものの、2017年頃から原発や沖縄の基地問題をネタにして権力批判を行うようになってからテレビ出演は激減。2020年のテレビ出演は1本だけだったようです。

松元ヒロさんが「テレビで会えない芸人」「テレビに出れない芸人」と言われているのに対し、村本大輔さんは「テレビから消えた芸人」と呼ばれており、村本さん自身は、自分からテレビの仕事を辞めたのであって、テレビ出演が激減と、テレビに出演させてもらえなくなったかのような印象を与える表現には違和感を持っておられるようですが、それはともかく、「会えない」「出れない」にしろ、「消えた」にしろ、テレビに出るために自分の信念を曲げることをしないということには相当の覚悟がいるはずで、テレビに出れなくとも言いたいことを言い続ける2人の姿勢は「カッコいい」と言う他ありません。

松元ヒロさんには、また憲法集会に来て欲しいと思っていますし、面識はまったくないのですが、可能であれば、村本大輔さんにも憲法集会に来て、言いたいことを言って欲しいと思っています。

ところで、9月29日には自民党の総裁選が行われるようですが、立候補している4人はいずれも安倍政権、菅政権を支えてきた人たちであり、誰がなっても自公政権が維持される限り、この国の政治が変わるとは思えず、総裁選自体にはほとんど興味がありません。

ただ、新聞を読むと、森友問題について、「国民が納得するまで説明する」と述べていた岸田文雄氏は、「再調査は考えていない」と発言をトーンダウンさせ、脱原発論者であったはずの河野太郎氏も「脱原発」を封印しているようです。

こうした態度が安倍政権、菅政権に忖度したものであることは誰の目にも明らかというべきですが、自民党総裁になるために、元首相の理解を得て総裁選における票を伸ばすために、自分の信念を曲げる姿勢は、松元ヒロさん、村本大輔さんの姿勢とは対極のもの。

権力を得るために自分を曲げるような人が権力を持ったらどうなるのか。

少なくとも国民の目線に立った政治を実現してくれるのは期待薄だと思うのは私だけでしょうか。

(アイキャッチ画像は2017年の憲法集会で撮影した松元ヒロさん)

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