吉田竜一弁護士ブログ

カタールW杯~ドイツ、デンマーク等6か国が「ONE LOVE」の腕章着用を断念!

今年のJリーグ、J2の大分はスタートダッシュに失敗し、後半は奮闘したものの5位、昇格プレーオフでもロアッソ熊本を引き分けて、1年でのj1復帰とはなりませんでした。

J1のガンバ大阪は、何とか降格は免れたものの、まさかの15位。片野坂監督も途中解任という事態になり、おかけで今年はシーズン中にNHKのBSで放送されているJリーグアワーをほとんど見ることのない1年になりました。

さて、Jリーグの今年の日程が終わるのと入れ替わりにカタールでのW杯が開幕したのですが、個人的には、いまいち盛り上がらないW杯のような気がしています。

盛り上がらないことについては、いつもは6月開催のW杯が秋開催になったということだけでなく、招致の買収疑惑がくすぶったままで、大会に使う競技場等の建設に際し、多数の外国人労働者が犠牲になっており、移民労働者の権利がないがしろにされていること、LGBT等、性的少数者の権利がないがしろにされていることが無関係ではありません。

世界的なロックシンガーで、大のサッカーファンとしても知られ、クラブW杯の前身であるトヨタカップの第1回大会(1980年)に旧国立競技場まで観戦にきたロッド・スチュワートが、カタールが同性愛を否定し、女性やLGBTコミュニティーを差別していることを理由に、W杯開催中のイベントへの巨額のオファーを断っていたことが報じられたのに続き、出場国であるドイツとデンマークは、主将が、試合中、「ONE LOVE」の腕章をキャプテンマークとして着けることを発表しました。

「ONE LOVE」には、人種や肌の色を問わず、全世界の人を愛し、尊重するという意味があり、「ONE LOVE」の腕章が、カタールの差別に対する抗議の意思表示として着用されるものであることはいうまでもありません。

自らの正しい主義主張を誰に遠慮することなく表明するミュージシャン、アスリートは本当にカッコいい。

日本の吉田麻也主将にも、ぜひ、着用して欲しいところです。

もっとも、今日の朝日新聞の社説は、W杯がカタールで開催されることの問題を指摘しながらも、「とはいえ、この戦乱の時代にスポーツの大会ができることは意味がある」「今回は試合をさばく審判に初めて女性が、日本の山下良美さんを含め6人選ばれた。彼女たちを目標に、続く人も出るだろう。たくさんの学びがあるはずだ」と述べていますが、そのとおりだと思います。

批判すべき点は批判するとして、開催される以上、大会が意義のあるものとなることを願わざるを得ません。

もちろん、私もテレビ観戦はする予定で、ドイツ、スペイン、コスタリカと同組となったグループを勝ち抜くのは至難だと言わざるを得ませんが、日本を応援します。

NHKのサッカー解説者である山本昌邦氏は、「暑いカタールでは、質の良いサッカーをするチームではなく、タフなチームが勝つ」と述べて、優勝候補としてブラジルを押していましたが、やはり優勝候補の筆頭はブラジルということになるのでしょう。

ただ、個人的には質の良いサッカーをするイングランド、オランダ、ベルギーに期待していますが、「ONE LOVE」の腕章のことを聞いた以上、ドイツ、デンマークも応援しなければなりません(日本の初戦はドイツ戦ですが、どっちも応援して、いい試合になることを期待します)。

 

追伸  というブログを昨日書いたら、今日(22日)、「ONE LOVE」の腕章を着用した場合に制裁を科すことをFIFAが表明したため、ドイツ、デンマーク、オランダ、ベルギー、イングランド、ウェールズは腕章着用を断念したとの記事を目にしました。FIFAの対応にはがっかりですが、抗議の意思を表明しようとした国が6か国もあったことはびっくりです。きっと、他の方法を考えてくれているであろうことも期待します。

 

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