5月3日は73回目の憲法記念日。
神戸・東遊園地では5・3兵庫憲法集会が開催され、午前中、加東警察に接見に行ったその足で車を神戸に走らせ参加してきました。
参加者は9000人。
この1年、衆参両院とも改憲発議に必要な3分の2の議席を与党に渡してしまうなか、いつ憲法改正の発議がなされてもおかしくない緊張した情勢が続いてきたものの、憲法を変えてはならないと思う多くの市民の草の根の力によって解決発議をさせることなく、憲法を守り抜いてきましたが、その熱気を十分に感じることのできる大盛況の集会となりました。
改憲に前のめりになり続けている安倍首相は、改憲派の集会に、2020年に新憲法の施行、「今もその気持ちに変わりはない」、改憲議論の「先頭に立って責任を果たしていく」とのビデオメッセージを寄せたようですが、憲法改正を発議できるのは、内閣でも内閣総理大臣でもなく、全国民の代表(憲法43条)である国会議員で構成される国会です。首相が憲法改正を声高に叫ぶのは、明らかに憲法尊重擁護義務(憲法99条)に違反する違憲の行為だといわなければなりません。
もっとも、朝日新聞が憲法記念日の5月3日に発表した最新の世論調査の結果によれば、いまの憲法は全体としてよいと思う人は62%、9条は変えない方がよいと思う人は64%、そして憲法改正の機運は高まっていないと思う人は実に72%にものぼっています。
改憲の機運が全然高まらないなか、改憲の議論を進めようとすれば、安倍首相が憲法尊重擁護義務に違反して改憲の旗振りをしなければならないが、安倍首相が旗を振れば振るほど市民の反発を招いている、ここに改憲派の矛盾があります。
しかし、2007年に成立している国民投票法は、投票2週間前までの改憲CMを放任するなど、改憲派がカネに物を言わせて改憲を買うことが可能な、極めて不公正なものになっており、国民投票で改憲案を否決すればよいと考えるのは極めて危険です。
憲法改正を止めるには、憲法改正の発議をさせないこと、そのためには、7月に予定されている参議院選挙で、改憲派に発議に必要な3分の2の議席を渡さないことが重要になります。
5・3兵庫憲法集会の実行委員長である羽柴修弁護士は、「戦争法だけでなく、安倍内閣のもとで成立した特定秘密保護法、共謀罪などにより、戦争の準備は着々と進められてるのに憲法改正には無関心な人がまだまだ多い。しかし、無関心は戦争の友だちこの無関心な人たちが『ちょっと様子がおかしいぞ』と感じ始めたときには手遅れです。根気よく、無関心な人たちに憲法をまもること重要性を訴えていきましょう」と挨拶されておられましたが、まったく同感。
改憲を止められるかどうかは、無関心層をどちらが自分の側に引っ張り込めるかにかかっています。
また集会でメインスピーチをされた落合恵子さんは、京都にある若い大学の教授が述べた「この国に必要なものは防衛ではなく防災」という言葉を引用して、安倍政権を批判し、「1回くらい倒しましょう」と力強く訴えておられました。この発言にも頷かざるを得ません。
戦争法、特定秘密保護法、共謀罪と憲法違反の法律を次々に成立させ、改元の祝賀ムードを煽って、モリカケ疑惑等、一連の不祥事はなかったことにしようとする。
本当に好き放題をされてきましたが、憲法だけは譲ることはできません。
武力で平和を守ることはできません。
憲法9条に平和以外の何物も付けくわえることは許されません。
さて、明日、5月5日は第41回はりま憲法を守る集会です。