吉田竜一弁護士ブログ

新年おめでとうございます―今年も言いたいことは言います!

ブログは暇な時に書いているものの、Twitterもfacebookもしません(正確にいうと、できません)。

それでも、私が所属している自由法曹団や労働弁護団の弁護士や作家の平野啓一郎氏やジャーナリストの江川紹子さんらのTwitterは、時々、追っかけているのですが、追っかけをしていて、昨年末、安倍首相が、自らのTwitterに「年末年始はゴルフ、映画鑑賞、読書とゆっくり栄養補給したいと思います。 購入したのはこの三冊」と述べた上で、机の上に並べた三冊の本の真ん中に百田尚樹氏の「日本国紀」が置かれた写真を載せているのを知りました。

百田尚樹氏は、安倍首相お得意のお友達人事で、2013年11月にNHKの経営委員に就任したものの、その歴史認識などについての言動が国会で批判を浴び、2年後の任期満了時に退任せざるを得なかった人物で、憲法9条についても、「もし他国が日本に攻めてきたら、9条教の信者を前線に送り出す。そして他国の軍隊の前に立ち、『こっちには9条があるぞ! 立ち去れ』と叫んでもらう」と、9条を揶揄するツィートをしていた人物です。

その著書である「日本国紀」については、読んでいないので的確な批判はできませんが、大東亜戦争を侵略戦争ではなく自衛戦争と述べているようで、この一点だけとらえても歴史修正本であるとの批判を免れることができない本でであることは明らかな本です。

一国の総理大臣が、そうした本を読むことを得意げにツィートしていることに、本当に寒々とした気持ちになりました。

それでも、誰が、どの本を読むのかということ自体にとやかくいうのもどうかと思い、このブログで批判することも見合わせようと思っていたのですが、新年早々、百田尚樹氏が、自らのTwitterにつぎのようなツィートをしたことで、やはり一言述べておかなければならないと気持ちが変わった次第です。

百田尚樹氏のツィートは明らかに許されないヘイトスピーチです。

安倍首相は、2016年3月の参院予算委員会で、ヘイトスピーチについて、「一部の国、民族や文化を排除しようという、憎悪をあおるような過激な言動は極めて残念だ。決してあってはならない。日本国民、日本国の品格に関わることだ」と発言しています。

国会で述べたことを前提にすれば、安倍首相は、お友達である百田尚樹氏に、直ちに下品であるというにとどまらず、違法なヘイトスピーチを止めるよう、忠告しなければなりませんし、少なくともそのような人間の書いた本を読むことをおおっぴらにすることも止めるべきです。

なんか正月くらい爽やかなものを書きたかったのに、本来書きたいブログとは全然違ったものになってしまいましたが、ヘイトスピーチがまかりとおるような世の中、立憲主義、民主主義が否定されるような世の中は絶対に嫌です。そのような風潮には間髪をいれず、しっかりと反対の声を上げていかなければなりません。今年も言いたいときに言いたいことを書きます。

最後に、「端緒に抵抗せよ」、そのことを教えてくれた、ドイツの神学者で、反ナチ運動家でもあった、マルティン・ニーメラーの著名な詩を引用しておきますが、本年もどうぞよろしくお願いします(アイキャッチ画像は2016年12月に撮影した宮崎・日南海岸の日の出です)。

  • ナチスが最初共産主義者を攻撃したとき、私は声をあげなかった。
  • 私は共産主義者ではなかったから。 
  • 社会民主主義者が牢獄にいれられたとき、私は声をあげなかった。
  • 私は社会民主主義者ではなかったから。  
  • 彼らが労働組合員たちを攻撃したとき、私は声をあげなかった。
  • 私は労働組合員ではなかったから。
  • そして、彼らが私を攻撃したとき、私のために声をあげる者は、誰一人残っていなかった。

 

 

 

 

 

 

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