旅行をするのは大好きです。
したがって、旅行もできないコロナ禍はもちろん大嫌いです。
受任している民事事件の中に岡山地裁倉敷支部に係属しているものが1件あり、緊急事態宣言前に、その第1回の弁論期日が5月29日午前10時に指定されていたのですが、緊急事態宣言が解除され、予定どおりに期日が開かれることになりました。
まだ不要不急の県またぎの往来は自粛が要請されているさなかではありましたが、裁判所への出廷が不要不急の外出ではないことはないことを拡大解釈し、午後、コロナの影響で他に予定もなかったので、妻と一緒に車で裁判に出廷。裁判終了後、倉敷の美観地区を散策して帰ってきました。
江戸時代の美しい白壁の街並みが残る倉敷の美観地区は、年間350万人以上が訪れる、岡山県でいちばんの観光地。
実は昨年9月にも岡山地裁倉敷支部に係属している事件があり、事件終了後、はじめて1人で美観地区を散策してきたところ、このときは平日にもかかわらず、おおぜいの観光客でにぎわっていたのですが、今回は緊急事態宣言が解除されたばかりのせいでしょう。訪れている人は本当にまばらでした。
倉敷の美観地区、路上には、「新型コロナウィルス感染拡大防止のため、十分なおもてなしができず申し訳ございません。収束後のまたのお越しをお待ちしております」と書かれた看板が置かれていましたが、コロナが早く収束し、全国の観光地がにぎわう日のくることを心から願わずにいられません。
ただ、それでも、政府が1次補正予算に1兆7000億円を盛り込んだ、旅行や外食などの消費を後押しするGOTOキャンペーンは順番が違うのではないかと思います。
GOTOキャンペーンについては、事務委託費が3000億円にものぼることが明らかとなり、国会でも、「ネット上では『強盗キャンペーン』と揶揄されている」と指摘されているような状況で、経済産業省も批判を受け、委託事業の公募をひとまず中止し、その実施は先延ばしになりました。
桁はずれの事務委託に大きな問題があることはもちろんだと思うのですが、そもそも1兆7000億円あるのであれば、他にやるべきことはたくさんある筈です。
以前のブログでも、「いまの政府は、厳しい批判にさらされて実現できなかったお肉券、お魚券の発想にしろ、今回のGOTOキャンペーンにしろ、本当に困っている人たちを直接支援するのではなく、本当に困っている人たちには僅かばかりの恩恵に預かれるような施策しか実行する気がないように思えてなりません」と書きましたが、本日の朝日新聞の社説も、「GOTO事業/抜本的見直しが必要だ」との見出しで、「コロナ禍では、非正規労働者や中小の事業者、そこで働く人たちなど立場の弱い人ほど、暮らしに深刻な影響を受けている。こうした人たちへの支援策こそ忘れてはならない」と書いています。
もちろん、観光業、旅行業などに携わっている人たちの中にも大変な状況に陥っている人が少なくないと思うのですが、政府が行なうべきは、そうした業者も含め、本当に困っている人たちを直接補助する、直接支援する施策でなければなりません。
※アイキャッチ画像は昨年9月に撮影したものです。