11月23日、コロナの影響で延期されていた憲法を守るはりま集会を開催することができました。
第三波の到来がいわれるなか、東京から駆けつけてくださいました井上淳一監督、素晴らしい歌声を聞かせてくださった合唱団の皆さん、そして、集会に参加してくださいました皆さんに心から感謝したいと思います。本当にありがとうございました。
さて、7年8カ月に及ぶ安倍晋三内閣が総辞職し、安倍内閣のもとでの明文改憲の実現は阻止することができました。表向きは健康上の理由になっていますが、この間、改憲に必要な3分の2以上の議席を衆参両院で握られていた時期が短くなかったにもかかわらず、辞任に追い込んだ最大の要因は、9条の会が9月23日に発表したアピールで分析しているとおり、3000万人署名を初めとする全国の市民の粘り強い行動と、そうした行動に励まされた立憲野党の頑張りにあったことは間違いのないところで、私たちは、これまでの取り組みに確信を持つ必要があります。
もっとも安倍首相の辞任によって、改憲派が改憲を諦めたわけではありません。
安倍政権の政治の継承を掲げて誕生した菅政権は、総裁選の時から、自助、共助、公助と、憲法25条が定める生存権を否定して自己責任を強調したスローガンを訴えていましたが、首相に就任した早々、共謀罪、戦争法、辺野古基地の推進に反対してきた6名の学者を、日本学術会議の会員に任命しないという、日本学術会議法だけでなく、憲法23条が定める学問の自由を侵害する暴挙に及ぶなど、安倍政権に勝るとも劣らない憲法敵視の姿勢をあからさまにしています。
憲法9条についても、防衛大綱への明記は見送られたようですが、自衛隊に敵基地攻撃能力を持たせるという、明らかに専守防衛の枠を逸脱した9条を破壊する措置を画策いるだけでなく、唯一の被爆国として核のない世界を実現するために先頭に立たなければならない立場にあるのに、来年1月22日から発効する核兵器禁止条約を批准しようともしません。
しかし、平和こそが私たちの生活の基盤です。平和なくして私たちは普通の生活を送ることはできません。
今日、私たちは映画「誰がために憲法はある」を見て、私たちが、憲法9条という世界でいちばん、強くて素晴らしい武器を持っていることを、井上淳一監督のお話をお聞きして、憲法を私たちの世代で終わらせることなく、つぎの世代に引き継いでいくことの重要性を、そして現実と理想との間にギャップがあるのであれば、現実を理想に近づけるための不断の努力をすることが日本国憲法によって私たちに課せられた責務であることを再確認しました。
この世界でいちばん、強くて素晴らしい武器、憲法9条を十二分に駆使し、憲法を守ろうの一点で一致できるすべての人と手をつなぎ、大きな声をあげ続ければ、きっとこの憲法を次の世代に引き渡し、核のない世界、平和な社会を実現することができる筈です。
そのためにこの西播の地ではコロナの影響を受けても中止することのなかった憲法を守るはりま集会を引き続き開催していかなければなりません。また、そのことが33年間も原爆朗読劇を続けられてきた渡辺美佐子さんをはじめとする女優の方たちの思いを引き継ぐころになると思います。
来年は、例年通り、5月5日に、同じ姫路市市民会館大ホールで、松元ヒロさんを招き第43回の憲法を守るはりま集会を開催します。是非、ご予定を頂き、来年はコロナのおさまった状況のもと、満員の会場で皆さんとお会いしたいと思います。
本日は、どうもありがとうございました。
(集会での閉会の挨拶の原稿を一部修正して掲載しました)。