吉田竜一弁護士ブログ

26回目の1月17日-阪神淡路大震災を風化させてはならない!

今日は阪神淡路大震災が発生してから26回目の1月17日。

阪神淡路大震災が発生した時、長女は2歳で震災の記憶はほとんどなく、長男にいたってはまだ生まれていませんでした。

兵庫県内でも阪神淡路大震災を体験したことのない人の割合が4人に1人を超えたという統計もあり、発生から四半世紀以上が経過し、阪神淡路大震災の風化が危惧されている状況になっています。

2020年も災害復興公営住宅での孤独死が71件発生しており、いまでも阪神淡路大震災の被害発生は続いており、私たちは自立が困難な被災者の人たちにこれからも必要な支援をなすべく、寄り添っていかなければなりません。

その意味でも当然に阪神淡路大震災を風化させることがあってはならないのですが、震災を風化させてはならない、語り継いでいかなければならないということには、被災者に寄り添うという意味だけでなく、悲惨な被害の発生を防止するという意味もあります。

未曽有の被害をだした東北大震災では、釜石市でも約1300人の犠牲者が出ましたが、釜石市では防災教育が徹底されていた結果、小学生約3000人のうち99.8%が津波から避難し無事だったことが釜石の奇跡と呼ばれていますが(亡くなったのは、たまたま学校にいなかった児童だけだったようです)、災害を体験したことのない人に、災害に直面した場合の準備、心構えをしてもらうためには、災害を体験した人の記憶、教訓を広めていくことにより、その悲惨さを共有してもらう、ということが不可欠です。

このことは災害だけでなく、戦争についても、基本的にそのまま当てはまります。

1960年生の私は戦争を知りません。

それでも長崎、広島の原爆資料館を訪れたり、母から宮崎に疎開してきた体験を聞かされたりしてきたことで、戦争は絶対にダメだということは心の中で信念に近いものとなり、弁護士になってからも9条の会や憲法集会の事務局をつとめる活動などを通して、微力ながら平和を守る活動に携わるようになりました。

私だけでなく、多くの戦争を知らない世代がそんな思いを持つようになったことについては、戦争の悲惨な体験、記憶が風化されることなく、伝承されてきたからということができるのではないでしょうか。

特に、戦争は人間の手によって事前に阻止することはできますが、自然災害は人間の手によって事前に阻止することはできません。

したがって、戦争による被害を阻止するためには戦争を行わなければよいわけで、その点では対策はそんなに難しい話ではないということもできますが、自然災害には震災、集中豪雨、土砂災害等、いろいろな災害がありますから、災害に直面した場合に災害による被害を最小限に抑えるための方策も様々で、事前の準備、心構えをしておくためには、災害というものがどのようなものなのか、災害が起こった場合、何をすべきなのかについては日ごろから十分な知識を持っておかなければなりません。

人々に災害の恐ろしさを知ってもらい、災害が起こった場合の対策を常に頭にいれてもらうためにも、阪神淡路大震災、東北大震災等々、これまでに起こった重大災害を若い世代に伝承していくことが不可欠です。

阪神淡路大震災を風化させることがあってはなりません。

そんなことを考えながら、お昼のニュースを見ていたら、8人の児童が犠牲になった芦屋市立精道小学校での追悼式の様子が報じられていましたが、そこで、6年生の斉藤はるのさんが、児童を代表して、「『震災を経験していないから、恐ろしさがわからない。だから何も伝えられない』それではいけないのです。学んだことを伝え、語り継いでいかなければなりません」と述べておられました。

素晴らしい。

多くの若い世代の人たちが、このような気持ちを持ってくれれば、阪神淡路大震災の教訓がきっと活かされることと思います。

(写真はいずれも2016年1月17日、大学生だった長男と一緒に参加した神戸・東遊園地での追悼集会で撮影したもの。今年は日曜日でしたがコロナの影響で残念ながら集会への参加は自粛し、午前5時46分に集会を中継するテレビの前で黙祷しました。)

 

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