18日には大阪地裁で行政事件の集中証拠調べが、19日には神戸地裁豊岡支部で労働事件の集中証拠調べがありました。
30年の弁護士生活でも、ホームである神戸地裁姫路支部以外の裁判所で集中証拠調べを連日行うという経験は初めてのことで、それなりに疲れてしまっているところです。
ところで、密の状態を避けるため、大阪への移動は鳥取県の倉吉と京都を結ぶ特急スーパーはくとを、豊岡への移動は、香住、城崎温泉と大阪を結ぶ特急はまかぜを利用しました(もちろん、いずれも駅と裁判所を往復するだけの日帰りです)。
18日の木曜日に乗った行きの特急スーパーはくとは、車両には私ともう一人の乗客しかおらず、帰りは数名の乗客がいたものの、ほとんどが背広姿のビジネスでの利用と思われる人たち。
(がらがらだったスーパーはくとの車内)
やはり緊急事態宣言が相当効いているのだ、やはり緊急事態に罰則などいらないのだと一人で納得していました。
ところが、19日の特急はまかぜも同じような状況だと思っていたら、金曜日だからでしょうか、乗車した車両は6、7割が埋まっており、そのほとんどは観光客と思われる人たちでした。
特急はまかぜは、11月から3月までは、カニカニエクスプレスの名称で、有馬温泉とともに兵庫を代表する温泉地である城崎温泉等へ、大阪、神戸、姫路等からたくさんの観光客を運ぶ列車で、例年であれば金曜日当日に指定席をとることなど難しい列車なのですが、GOTOトラベルの停止で城崎温泉でも6万人のキャンセルが出たとの報道もあったのに、やはり緊急事態宣言が延長される中で、我慢できない人、気持ちの緩んできた人がそれなりに出てきているということなのでしょうか。
観光客がゼロでは、観光地も壊滅的な打撃を避けられず、観光地のことを思うと複雑な気持ちになりますが、コロナ対策への協力を求める車内放送を無視し、座席を回転させて、向き合って大声で話しているグループを見ると、別の意味で複雑な気持ちにならざるを得ません。
(特急はまかぜ)
来月7日まで予定されていた緊急事態宣言について、大阪、京都、兵庫の関西3府県は、今月末までで緊急事態宣言を解除するよう国に要請するスタンスのようです。
緊急事態宣言が長引けば経済が深刻な打撃を被ることになるのは、そのとおりなのでしょう。
しかし、3回目の緊急事態宣言が出されるような事態になれば、それこそ経済は本当に立ち直れない壊滅的な打撃を被ることになります。
「急がば回れ」ではありませんが、重要なことは、3回目の緊急事態宣言を絶対に出さないことであり、そのためには絶対に大丈夫だという確信のない限り、目先のことだけを考えて、緊急事態宣言を解除すべきではありません。
特急はまかぜに乗車して緊急事態慣れしてしまったと思われる人が少なくないことを実感し、そんな思いを強くしました。
もちろん、私自身にも緊急事態慣れしてしまっているところがないわけではなく、この点は自戒もしなければなりませんし、緊急事態宣言を簡単に解除しないというのであれば、医療従事者の方はもちろん、しわ寄せがくる飲食業、観光業を営む方や労働者の皆さん等、困っている人たちに対する抜本的な経済的支援はかかせませんが、早急な解除は、また同じことを繰り返すようなことを繰り返すことにならないか、心配でなりません。
(19日の日本海側は前日の大雪が残ったままでした。尚、アイキャッチ画像はスーパーはくとです)