21日、自民党の現職の衆議院議員である村上誠一郎元行政改革担当相が安倍元首相の国葬を欠席する意向を明らかにしました。村上議員は、自民党の総務会後に、安倍氏の政権運営が「財政、金融、外交をぼろぼろにし、官僚機構まで壊した。国賊だ」と発言したとも報じられています。
2014年、安倍内閣のもとで、憲法違反の集団的自衛権行使を容認する閣議決定がなされた頃、地域の9条の会でお話するときに使っていたレジュメには、村上議員が、「平和外交によっていかに戦争を防止するか、その努力を全力でやらなければいけない時に、安倍さんは集団的自衛権の『行使容認』だとか『武器輸出三原則の撤廃』だとか、相手を逆撫ですることばかりに力を注いでいる」と、古賀誠・元幹事長が、「立憲国としてとても考えられない」「普通だったら予算委員会が止まるほどの大騒動の話」と、野中弘務・元幹事長が「憲法上から、いまの内閣の歩んでいる道は非常に誤りつつある」と述べるなど、自民党内からも異論が噴出しているということが書いてあります。
村上議員の当時の発言は、雑誌「世界」の2014年5月号に掲載されたインタビュー「日本は『ワイマールの落日』を繰り返すな」の中での発言でしたが、村上議員は、このインタビューの中で、「かつて中曽根康弘さんが偉かったのは、官房長官には自分とは価値観の違う後藤田正晴さんを置いたことです。後藤田さんは憲法にかかわるような問題の時にはきちんとブレーキ役を果たしました。安倍さんは『お友達』ばかりで周辺を固めています。一見やりやすいでしょうが、現状はあまりにも右舷に傾き過ぎ、倒れて沈没しかねません」とも述べて、周りをお友達、イエスマンばかりで固めて好き放題をしてきた安倍元首相のやり方を批判していたのですが、批判するだけでなく、その後、安倍内閣が行ってきた安保法案の強行採決には反対、共謀罪の強行採決には棄権と自分の信念を貫く対応をとってこられました。
村上議員の国葬欠席を、テレビで「世論におもねている」などと批判した同業の方がおられたようですが、村上議員の言動を知っていれば、今回の国葬欠席は氏がここでも信念を貫いただけのもので、世論におもねたものなどでないことが明らかです。
既に亡くなられている三木武夫元首相、鯨岡兵輔氏ら、一昔前は自民党の中にも、自由主義者、民主主義者として筋を通しておられる方が一定数おられましたが、現在の自民党の中には、村上議員以外、そのような人はあまり見当たらないのではないでしょうか(今も全然いないとは言いませんが)。
自民党内では、村上議員に対し、処分を求める声や離党を求める声が少なくないようですが、旧統一協会と深い関係を持っていることが明らかな議員に対して何らの処分もしない、離党を求めることもしない、安倍元首相を含め深い関係の疑われる議員に対しても何の調査もしないで、村上議員の真っ当な声を封殺しようとする対応は、ジャーナリストの金平茂紀氏が24日のTBS「報道特集」で述べたとおり、「まるで戦前のような様相」との批判を免れるものではありません。
さて、週末の23日は、姫路キャスパホールでの松元ヒロさんの映画上映会とソロライブに行ってきました。
どちらも約300席の会場はほぼ満杯の盛況。
映画監督の井筒和幸氏も「面白かった」と絶賛するドキュメンタリー映画「テレビで会えない芸人」。
政権批判や憲法9条擁護を唱える松元ヒロさんが、なぜ、テレビから消えたのか、松元ヒロさんの活動を通じて、現代のモノ言えぬ社会の実態を浮かび上がらせる秀作でした。
松元ヒロさんのライブを観るのは、多分7回目になるかと思うのですが、今回、冒頭の森喜朗元首相のネタは初めて観たときにやられていたネタで、懐かしく、そして新鮮で、アンコールの「憲法くん」まで政権批判満載の、笑いに包まれたアッという間の90分でした。来年、古希を迎えられる松元さん、益々、お元気になられているようで、うらやましい限りです。
松元さん、翌日午後の埼玉県草加市の公演のために、その日のうちに帰京する予定だったものが台風のために新幹線が動かず、大阪で足止め、翌日も正午頃までは新幹線が名古屋止まりであったため、草加市の公演は中止となったようで、大変だったと思いますが、これに懲りず、また姫路で楽しいライブを観せてください。
昨年の手術以降、自律神経の乱れがあり、9月最初の連休に関西も襲った台風による気圧の変化で体調を崩して発熱し(最初はコロナになったのかと思いましたが違いました)、熱が下がってからも、悪寒がおさまらない状況だったのですが、信念を貫いて活動されている人に少し元気をもらった2度目の連休でした。