広島は、明日、75回目の原爆の日を迎えます。
修習で神戸に来たときに初めて広島の平和公園、原爆資料館を訪れてから、これまでに原爆資料館には少なくとも5、6回は足を運んでいる筈ですが、昨年9月にリニューアルしてからは、まだ訪れることができておらず、初盆で8日から大分に車で規制し、帰りに広島に立ち寄る予定にしていました。
しかし、コロナ感染が拡大する中、悩んだ末、高齢の母親を感染させることは絶対にできないとの思いから、残念ですが、今般の帰省は見合わせることにしました。
コロナ禍がおさまれば、帰省するだけでなく、必ず広島の原爆資料館、そして中学以降、訪れていない長崎の原爆資料館も訪れたいと思います。
さて、帰省を巡っては、西村経済再生担当相が「慎重に考えるべき」だと発言しているのに対し、菅官房長官は「一律自粛は求めない」と発言しています。
「一律自粛を求めない」のは、これを求めれば、GO TOキャンペーンも見直しをせざるを得ないからなのでしょうが、経済を回すことの重要性は否定しないものの、経済活動と人命を天秤にかければ、人命が重いことはいうまでもなく、一方で、感染拡大防止のために「お盆の帰省は慎重に」「仕事はテレワークで」ということを訴えながら、GO TOキャンペーンで旅行に出かけることを推奨する政府の対応は、やはり矛盾としか言いようがありません。
大打撃を受けている観光業には、GO TOキャンペーンによってではなく、直接の支援を行なうべきでしょう(もちろん、直接支援する対象は観光業だけであってはなりません)。
東京都医師会の尾﨑治夫会長は、7月30日に会見し、「今すぐに国会を召集し、法改正をお願いしたい。いまが感染拡大を抑える最後のチャンスだ」と、休業要請をお願いするだけでは実効性はないことから、特措法を改正して、補償を伴う休業要請を行なえるよう、強く訴えておられましたが、「新型コロナウイルスに夏休みはない。国ができること、しなければならないことを国民に示し、国民・都民を安心させてほしい。これは私たちにはできないことで、政治の役割だ」との発言は、本当に説得力がありました。
ところが、野党4党が7月31日、新型コロナウイルスの感染再拡大や豪雨災害の対応策を審議するため、臨時国会の早期召集を求める要求書を大島衆院議長に提出したにもかかわらず、政府与党は、この要求に速やかに応じることなく、臨時国会の開催を10月まで先延ばしするつもりのようです。
しかし、憲法53条は、「内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いづれかの議院の議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない」と規定しています。決定しなければならないのであって、応じる、応じないの自由は内閣にはありません。
自民党の森山国対委員長は、臨時国会を当面開かない理由について、「本会議に付託すべき案件がまだ定かでない」と述べたようですが、これについては開いた口が塞がりません。
特措法の改正、GO TOキャンペーンの見直し等々、議論すべき問題は山積みされています。
東日本大震災の際、野党であった自民党は、「原発対応が後手後手」「危機管理能力がない」などと、民主党政権を猛批判していましたが、当時の民主党政権には、少なくとも原発問題についても真剣に向き合おうとする姿勢は見て取ることができました。
今の政府与党には、未曾有の危機に対して、国民のために取り組もうとする姿勢はまったく見えません。
やる気がないのであれば、さっさと退陣して、コロナ危機に真剣かつ真摯に取り組める誠実な政治家にバトンを渡すべきです。