吉田竜一弁護士ブログ

ダルビッシュ有選手と本田圭佑選手を断固支持!

シリア武装勢力から約3年4か月ぶりに解放され、帰国したジャーナリストの安田純平さんについて、「自己責任論」を振りかざしてバッシングする人たちが少なくないようですが、11月2日、記者会見した安田さんは、「私自身の行動で、日本政府や多くの皆さまにご迷惑をおかけした。批判があるのは当然だ。事実に基づかない内容もあるので、事実に基づいてというお願いはある。紛争地に行く以上、『自己責任』だと考えている」と述べたようです。

個人的には、この場合の「自己責任」は、危険な場所に行く以上、「自らの生命身体に不測の事態が生じるかもしれないということを自ら覚悟する」ということにすぎず、そこに行って不幸にも危険に晒された人、特にジャーナリストを、第三者が簡単に「自己責任だ」などという言葉で非難するのは、筋違いだと考えています。

この件について、シカゴ・カブスのダルビッシュ有選手が、「一人の命が助かったのだから、自分は本当に良かったなぁと思います。自己責任なんて身の回りに溢れているわけで、あなたが文句をいう時もそれは無力さからくる自己責任でしょう。皆、無力さと常に対峙しながら生きるわけで。人類助け合って生きればいいと思います」とツィートしただけでなく、これに対する反論にも、「誰かがいかないと内情がわからないわけじゃないですか。そういう人たちがいるから無関係な市民が殺されるのを大分防いでいると思いますけど」「ジャーナリストがゼロになったら世界に情報も出ないんだから、殺戮が加速するに決まっているでしょう。ルワンダのジェノサイドなんかまさにそうでしょう」と再反論しているのが、まさに正鵠を射ている指摘。

ダルビッシュ有選手のツィートには、メルボルン・ビクトリー所属のサッカー選手・本田圭佑選手も、「フリージャーナリストの安田さん、色々と議論がなされてるみたいやけどとにかく助かって良かったね」、「僕も色んな国に好きで行くので、しかも政治やビジネスに関して好きな事言うので、このまま拘束されたりしたら、ホンマにヤバいかもっていつも思ってます。ダルビッシュさん夫婦がいればもっとガツガツいけそうです」とツィートしているようですが、2人とも素晴らしい。

この問題については、朝日新聞に連載されている、しりあがり寿氏の「地球防衛軍のヒトビト」が、自己責任を論破し、ジャーナリストの重要性を再認識させてくれる四コマ漫画として高い評価を得ているようですが、納得です。

ところで本田圭佑選手は、7月、名古屋グランパスエイト時代のチームメイトであった安英学氏の要請に応じて横浜市内にある朝鮮学校をサプライズ訪問し、「夢を諦めないこと」を訴えているのですが、このとき、やはり一部の人たちからは批判もあったものの、多くの人の感想は、「本田△」で、初めて、これを見たとき、さっぱり意味がわからず、本田選手批判かと思っていたところ、「本田△」→「本田サンカクケー」→「本田サン、カッコイイ」が正しい意味だとわかって、多くの人たちが本田選手の態度に共感していることに安堵しました。

尚、一番、かっこいいし、凄いと思った本田選手の発言は、「W杯後に朝鮮学校を訪問して伝えたかったこと」について、ツイッターでの「スポーツから生まれる友情とは時に政治や差別を超える」「どんな状況であれ、良くしたいなら自分から変えること」「自分の国しか愛せないことは悲しいこと」「国益しか考えられない政治家は今後は必要とされなくなっていく」との発言です。

アメリカ・ファースト、ブラジル・ファーストなどといっているどこかの国の大統領だけでなく、この言葉を胸に刻んで欲しいと思う政治家がこの国にも少なくないように思います。

正直、ダルビッシュ有選手と本田圭佑選手、もちろん海外に出て奮闘している他の選手たちと同じようなリスペクトは持っていたもの、特別に応援している選手ではなかったのですが、これからは今までの二倍、三倍応援させてもらいます。

 

 

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